印税生活でノマドワーカーに成るのは現実的に可能なのか?

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今の若い人からすると意外かも知れないが、一般家庭へのパソコン普及率が50%を超えたのは今からわずか14年前の、平成12年(西暦2000年)のことだった。そこからインターネットが本格的に普及し始めたわけだが、インターネット環境の充実とともに、働く環境も徐々に変わってきている。近年では、『ノマド』という言葉をよく耳にするかと思う。『ノマド(nomad)』とは英語で遊牧民の意味を持つ。つまりノマドワーカーとは、遊牧民のように拠点を持たずに、パソコンをはじめとしたIT機器を駆使して日本中、いや世界中を仕事場とする人種のことだ。

このノマドワーカーが、今多くの社畜から注目を浴びている。一部「そんなことしてるやつは社会人として一人前とは言えない」などと批判的な言葉を口にする昔ながらの頑固者も居るが、基本的には認められて来ているし、パソコン1台で稼ぐというスタイルは多くの人の憧れとなっている。

そしてそんなノマドワーキングスタイルの選択肢の1つとして、電子書籍出版がある。電子書籍の最大のメリットは、通常の印刷出版と比べて圧倒的に印税率が高いという点があげられる。通常の印刷出版の場合、出版社を通した商業出版だと印税は7%〜12%程度だ。自費出版をした場合には印税率こそ高くなるものの、初期の印刷費用などを含めると金銭的なリスクは相当に高い。一方の電子書籍はと言うと、最低でも30%から、高いところでは90%を超えるところまである。業界を知らない人の中には『印税=10%』という印象が強く、どんな媒体で販売したとしても10%であると勘違いしている人も多い。しかし、電子書籍の場合は印刷代や配送代というものが一切不要になるため、印刷出版と比べると圧倒的に印税率は高くなる。

電子書籍市場を遡ってみると、まだまだ歴史は浅いのが見て取れる。”電子書籍元年”と呼ばれ、電子書籍が急激に注目度を上げてきたのは2010年ごろで、電子書籍世界最大手であるAmazonのキンドルが日本市場で本格的にサービスを開始したのは2012年10月だ。まだ4年も経過していないということになるが、電子書籍の市場は年々拡大していっている。

2013年-936億円
2014年-1266億円
2015年-1502億円
2019年-2890億円(予測)

このように、現時点でその市場規模は毎年30%近く成長しており、今後より多くの人が電子書籍を利用することになる。「電子書籍で印税生活は難しい」と主張する人もいるが、そうではない。電子書籍出版か印刷出版かに関わらずそもそも「本の出版による印税生活が難しい」のだ。単純に考えて、電子書籍出版のほうが印刷出版に比べて印税率が10倍近く高いという時点で、印税生活を送ることの出来る可能性で言えば、電子書籍出版の方に軍配が上がる。

印刷による商業出版の最大のメリットは、書店に本が並ぶという点があげられるかも知れない。しかし、これも冷静に考えてみて欲しい。書店に本が並んだところで、書店のスペースには限りがあるため、よっぽど名前が通っている作家でも無い限り平積みで大々的に宣伝してもらえるということはあり得ない。仮に客の目についたところで、話題性も無い無名作家の書籍を購入してくれる客は限りなくゼロに等しいと言える。

その点電子書籍はというと、どんなに有名な作家の書いた本であれ無名の新人が書いた本であれ、出版時点でのキンドル上での扱いは全くのフラットだ。差が出てくるのはその後だ。唯一差が出てくるポイントとしてあげられるのは、ランキング制度だ。本が売れればランキング上位に表示されるようになり、ランキング上位に表示された本は徐々に売り上げを伸ばす。一方で、出版後に全く売れずにランキングにもかすらないような本もある。そうなったら終わりなのかというと、そうではない。本が売れなくなったり古くなったら撤去される実店舗とは異なり、キンドルの場合永遠に販売は継続される。つまり出版してすぐに売れなかったとしても、その後の自分の宣伝やらなんやらで、結果的にベストセラーを出すこともできるのだ。宣伝の手段としては、ブログやホームページなどがあげられる。このあたりは、印刷出版では不可能だ。一度書店から撤去されてしまった本は滅多なことでは人目につかない為、売れるきっかけすら与えてもらえなくなる。

実際に、ネット上で活動をしてきた人気ブロガーが電子書籍を出版して月に何百万も印税を得たという話も聞くし、つい最近ニュースになっていたが、電子コミック131冊を各11円で販売するセールの効果で、1カ月の売り上げが3億円を超えたという話も聞く。これは電子書籍ならではの、夢のあるニュースだ。電子書籍の出版によるノマドワークは可能か不可能かという疑問に対しての答えは、可能だ。確かに可能性は低いのかもしれないが、悩んでいる暇があるのなら一度出版してみるのが手っ取り早いと思う。何故なら電子書籍の出版はこれまでの印刷出版とは打って変わって、金銭的なリスクがほとんど無いからだ。表紙の作成から原稿の編集、キンドルのアカウント作成、税情報の登録など自力でやれば0円で出版することも可能である。ただし、技術的に不安を抱えるという方は、電子書籍の出版代行を利用してみるのも手かもしれない。その際には勿論、『パブフル』がオススメだ。

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